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経営承継円滑化法

法律の概要(2019年1月1日時点の法令に基づく)

中小企業の経営者が事業を子などに承継しようとしても、保有する株式を贈与しても、遺留分制度による承継を受け、中小企業の株式が分散したり、その所有権をめぐって紛争が生ずることがあり、円滑な経営の承継の障害となっていました。

そこで、中小企業の経営の円滑な承継に資するため、2008(平成20)年に、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下、「経営承継円滑化法」といいます)が成立しました。

経営承継円滑化法は、民法における遺留分の特例、事業承継時における金融支援措置、相続税の課税についての措置の3つの内容から構成されています。

経営承継円滑化法は、先代経営者が生存中に、経済産業大臣の確認を受けた後継者が、遺留分を有する推定相続人全員の合意と家庭裁判所の許可を条件に、次のことが可能になりました。

①後継者が先代経営者から贈与等により取得した株式等の全部または一部を遺留分算定の基礎財産から除外すること(除外合意)。

②①の株式等の全部または一部を遺留分算定の基礎財産に算入する際に合意の時点で評価額とすること(固定合意)。

③①の合意に加えて、後継者が先代経営者から贈与等により取得したそれ以外の財産や遺留分を有する他の共同相続人が先代経営者から贈与等により取得した財産についても遺留分算定の基礎財産から除外すること。

中小企業の要件

経営承継円滑法が適用されるためには、「特例中小企業」でなければなりません(経営承継円滑化法第4条1項)。

特例中小企業は、次のとおりです。

①業種ごとに規定された資本金の額または従業員数以下の会社
②3年以上継続して事業を行っている会社
③株式を上場や店頭公開していない会社

経営承継円滑化法の利用方法

「除外合意」も「固定合意」も、ともに後継者を含めた推定相続人全員で書面により合意する必要があります(経営承継円滑化法第7条2項1号)。

また、固定合意については、固定する価額を、弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士または税理士法人が、その時における相当な価額と証明したものでなければなりません(経営承継円滑化法第4条1項2号)。

除外合意、固定合意の効力

除外合意の合意書面について、経済産業大臣の確認を経て、家庭裁判所の許可がなされると、その時点で効力を生じます(経営承継円滑化法第9条1項)。

その結果、除外された
①後継者に贈与等された株式
②後継者に贈与等された株式以外の財産
③他の相続人に贈与等された財産
について、いずれも遺留分算定の基礎財産から除外されます(経営承継円滑化法第9条1項)。

固定合意の合意書面について、経済産業大臣の確認を経て、家庭裁判所の許可がなされると、その時点で効力を生じます(経営承継円滑化法第9条2項)。

その結果、遺留分の基礎に加えられる株式の価額は、固定合意により合意した価額となります。

合意の効力の消滅

除外合意および固定合意の効力は、次の事由が生じたときにその効力を失います(経営承継円滑化法第10条)。

①経済産業大臣の確認が取り消されたとき
②旧代表者の生存中に後継者が死亡し、または後見開始もしくは保佐開始の審判を受けたとき
③合意の当事者以外の者が新たに旧代表者の推定相続人となったとき
(3)合意の当事者の代襲者が旧代表者の養子になったとき

経営承継円滑化法の申請をするには、中小企業庁のマニュアルを参照するのが有効です。

【参考】
中小企業庁:「中小企業経営承継円滑化法申請マニュアル(民法特例)」
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2019/190403shoukei_manual_1.pdf

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